樹脂窓に関するLCAとGHG排出削減貢献量
樹脂窓のLCA
住宅での使用段階の評価
- 戸建て住宅の開口部においては、冬の暖房時は6割の熱が流出し、夏の冷房時(昼)は7割の熱が入ると言われている。

戸建住宅の仕様
- 平成28年省エネルギー基準の標準住戸をモデルプランとした。

熱負荷計算の試算条件
- 1~7地域の戸建て住宅において、年間に消費する電気使用量を熱負荷計算ソフトを用いて算出した。

躯体の条件
- 躯体(屋根、外壁、床、基礎)の平成28年省エネルギー基準相当とし、1~7地域の地域毎に同じ条件とした。
→窓の違いによる電気使用量の差が生じる条件としている。

6地域・東京における電気使用量(例)
- 6地域(東京)における樹脂窓の種類毎の年間電気使用量は、ベースラインに対して18~22%少ない。
- 三層複層ガラスの樹脂窓(左)と複層ガラス(左から2番目)には、ほとんど差がない。

躯体の断熱は全て同一条件
地域毎、対象品毎の住宅使用段階における電気使用量(1)
- U値が1.60の三層複層ガラス・ダブルLowEの樹脂窓で電気使用量が最小にならないのは、ガラスの日射熱取得率が低く冬場の日射を遮ってしまうため、暖房が必要となり、エアコンの電気使用量が多くなるからである。




地域毎、対象品毎の住宅使用段階における電気使用量(2)
- U値が1.60の三層複層ガラス・ダブルLowEの樹脂窓で電気使用量が最小にならないのは、ガラスの日射熱取得率が低く冬場の日射を遮ってしまうため、暖房が必要となり、エアコンの電気使用量が多くなるからである。



輸送段階、廃棄段階
- 輸送に関しては以下の項目を対象に輸送条件を設定した。
<データ性質>
・原料輸送
・製品輸送(出荷)
・中間処理施設への輸送
・埋立処分場への輸送
- 使用済品の廃棄段階に関しては以下のシナリオを設定した。
特に樹脂窓に使用されるPVC量は多く、将来において住宅解体に伴って大量に廃棄される可能性があるため、PVCリサイクルの効果をみるために試算した。

ライフサイクルにおけるエネルギー消費量(6地域:東京)
- 東京における1戸あたりのエネルギー消費量は、樹脂窓を使用した場合が409~431GJ。
- 三層複層ガラスの樹脂窓(左)よりも、複層ガラス(中)の方がエネルギー消費量が少ない。
→製造、輸送、廃棄の部分が複層ガラス(中)よりも三層複層ガラスの樹脂窓(左)のエネルギー消費量が多く、電気使用量がほとんど変わらなかった使用段階の差を上回ったため。

ライフサイクルにおけるエネルギー消費量(地域別一覧)






