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リサイクルについて

リサイクルの手法

 資源の循環的な利用により石油等の限りある天然資源を節約し、また環境負荷をできる限り低減させるひとつの手法がリサイクルです。代表的なリサイクル事例として、使用済みとなった塩ビパイプから新たな塩ビパイプをつくることが挙げられます。このようなマテリアルリサイクルに限らず、現在では不用品や廃棄物となったものを再度資源として利用する全ての方法を、リサイクルと呼んでいます。廃プラスチックをマテリアルリサイクルしてプラスチック原料とすることは、技術的にも経済的にも必ずしも容易ではありません。無理にリサイクルしようとすれば、逆に資源が浪費されたり環境負荷が増加することもあります。リサイクルには様々なアプローチがあり、マテリアルリサイクル以外に、フィードストックリサイクルやエネルギーリカバリーがあります。したがって廃プラスチックの状態や状況を考え、新たな資源投入や環境負荷が抑えられるか、また社会的コストが低いといった視点で適切なリサイクル手法を選択することが重要となります。

マテリアルリサイクル MR
(メカニカルリサイクル、材料リサイクル)

 使用済みプラスチック製品を、再び同じ製品かまたは別のプラスチック製品の樹脂材料として利用するリサイクル方法。樹脂材料としての品質基準を満たすように、異物や汚れの除去は勿論のこと、基本的には同一種類であって且つ同等の物性をもつプラスチックだけにする必要があります。このため、分別収集、選別、破砕、分離、洗浄、回収といった操作が必要となります。欧州ではメカニカルリサイクルとも呼ばれています。

フィードストックリサイクル FR
(ケミカルリサイクル、化学(原料)リサイクル)

 使用済みプラスチック製品を、高温で熱分解して合成ガスや分解油などの化学原料にしたり、または化学的に分解してモノマーに戻すなど、他の化学物質に転換して利用するリサイクル方法。種類の異なるプラスチックが混在しても、異物や汚れがあっても、工程上問題がなければリサイクルできます。化学構造を変化させることから、ケミカルリサイクルとも呼ばれています。

エネルギーリカバリー
(サーマルリカバリー、エネルギー(熱)回収)

 使用済みプラスチック製品を燃料として蒸気や発電、セメントキルンなどに利用するリサイクル方法。厨芥ごみ、廃プラスチックなどが混じった都市ごみや、他の廃棄物から分離や選別が困難なプラスチック製品の場合には、合理的なリサイクル方法となります。紙や木などの可燃物と一緒に固形燃料化して利用することもできます。

リサイクルの種類-3つの手法

図1.リサイクルの種類-3つの手法