塩ビ工業・環境協会
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塩ビのフィードストック(ケミカル)リサイクル(FR)事例紹介

 マテリアルリサイクルに適さない廃塩ビは、化学原料として再利用されるフィードストックリサイクルが行われます。

 現在、表1に示した様々な手法のフィードストックリサイクルが実用化され、単体製品型の塩ビ廃棄物及び塩ビを含む混合廃棄物がリサイクルされています。これらのフィードストックリサイクルには、塩酸を回収して酸洗や金属回収のために塩素を積極的に活用している方法もあり、塩ビ中の炭化水素は高炉還元剤などに利用されます。さらに新たな取組みとして、塩ビ壁紙から活性炭化物を製造する技術開発や飛灰から重金属を分離回収するために廃塩ビ処理から発生する塩酸を利用する事業計画が検討されており、塩ビのフィードストックリサイクルは広がりをみせています。

 

表1.廃塩ビのフィードストックリサイクルの代表的な事例
分類 プロセス 処理物 主な回収物 メーカー名 備考

廃塩ビ

(単体)

キルンによる高炉原料化法

廃塩ビ

(管継手他)

高炉還元剤、塩酸 JFE環境(株)  
塩化揮発法による金属回収

廃塩ビ

(壁紙他)

鉄、非鉄金属 光和精鉱(株)  
焼却炉からの塩酸回収 廃塩ビ 塩酸(飛灰処理向け) 光和精鉱(株) 事業化計画
活性炭化物製造法 塩ビ壁紙 活性炭化物 (株)クレハ環境 開発段階

塩ビを含む

混合廃棄物

二軸押出機脱塩素化法 容リプラ分別重量物 高炉還元剤,塩酸 (株)神戸製鋼所

容リプラ

の処理

ガス化法(加圧) 容リプラ 合成ガス(H2,CO)

宇部興産(株)

昭和電工(株)

コークス炉化学原料化法 容リプラ コークス、コークスガス、炭化水素油 新日本製鐵(株)
電炉処理法

医療廃棄物

(含塩ビ)

粗鋼(廃塩ビは還元剤利用) 共英製鋼(株)  

注)容リプラ:容器包装リサイクル法でPETを除くその他プラスチック

 

 

1.塩ビのフィードストックリサイクルの実用化事例

 現在、塩ビのフィードストックリサイクルが実用化されている代表的な事例(表1)について以下に説明します。

 

 

(1)ロータリーキルンによる高炉原料化法(JFE環境(株))

 廃塩ビをロータリーキルンで塩化水素と炭化物に熱分解する方式で、前者は35%塩酸として、後者は高炉還元剤として再利用されます。汚れや異物混入の多い管・継手や農ビ、複合製品である壁紙などの廃塩ビが年間約4,000トン以上リサイクルされています。

 

図1.キルン法による高炉原料化法のフローとプラント写真

キルン法による高炉原料化法のフロー プラント写真


 

(2)塩化揮発法(光和精鉱(株))

 塩素を利用して鉄を多く含むもの(製鉄所の集塵ダストなど)の中から鉄と非鉄金属を分離回収するプロセス(塩化揮発法)です。塩ビを焼却することで熱エネルギーを回収する一方、生成する塩化水素をこの塩化揮発プロセスの塩素源として積極的に再利用しています。日本壁装協会を中心に収集された集合住宅、ビルディングの新築やリフォームから発生する塩ビ壁紙施工端材を年間約200トン、2003年から5年間処理した実績があります。

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(3)二軸押出機脱塩素化法((株)神戸製鋼所)

 塩ビ濃度10%程度の混合廃プラスチックを二軸押出機(株式会社日本製鋼所社製)内で塩化水素と炭化物に熱分解する方式で、塩化水素は塩酸として回収されて主に鋼の酸洗剤に利用され、炭化物は高炉還元剤として利用されています。

 これまで主に埋立処分されていた容器包装リサイクル法におけるプラスチック製品の選別重量物の処理に用いられ、再商品化率の向上に役立っています。

 


 

(4)ガス化法(宇部興産(株),昭和電工(株)) 

 加圧2段ガス化によって合成ガス(一酸化炭素、水素)を生成させ、アンモニア合成などの化学原料に利用する方法で、塩ビを1~5%を含む廃プラスチックの処理に利用されています。

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(5)コークス炉化学原料化(新日本製鐵(株))

 廃プラスチックと石炭を混合し、無酸素状態で高温熱分解させ、コークス、ガスおよび炭化水素油に転換させ、再資源化する方式です。
 塩ビを1~5%を含む廃プラスチックの処理に利用されており、コークスは高炉還元剤、コークス炉ガスは発電所や加熱炉の燃料、炭化水素油は化学原料としてそれぞれ再利用されています。

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(6)電炉処理法(共英製鋼(株))

 塩ビを含む廃プラスチックを鉄スクラップと一緒に電炉に入れ、高温処理(2000℃)して粗鋼が生産されます。廃プラスチックはコークスの代替還元剤として利用されます。

 一般の焼却炉では難処理物として取扱われている塩ビを含む医療廃棄物や複合プラスチックなどの処理がこの方法で行われています。 

 

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2.塩ビのフィードストックリサイクルの新たな展開事例

(1)焼却炉からの塩酸回収(光和精鉱(株))

 光和精鉱株式会社は2007年春、溶融飛灰資源化の事業を本格的に立ち上げましたが、この処理に大量の塩酸を使用します。塩酸は溶融飛灰中の金属類を溶かし重金属を回収する薬剤として用いられます。廃塩ビを燃焼することで回収した塩酸を溶融飛灰処理に利用するフィードストックリサイクルの事業計画が検討されています。溶融飛灰という廃棄物を廃塩ビという廃棄物を使って処理することで新たな資源を生むという新しい構想であり、事業化が注目されています。

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図2.焼却炉からの塩酸回収のフロー

図2.焼却炉からの塩酸回収のフロー


 

(2)塩ビ壁紙廃材による活性炭化物の製造((株)クレハ環境)

 塩ビ壁紙の廃材を炭化物と塩化カルシウムに熱分解し、生成した塩化カルシウム(充填物の炭酸カルシウムと塩ビから発生する塩化水素が反応して生成する)を水洗除去して活性炭化物を製造する再資源化を株式会社クレハ環境が日本壁装協会と連携して開発中です。

 

図3.活性炭化物製造法のフロー

図3.活性炭化物製造法のフロー

 

 

 

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