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廃塩ビ製品の実態

廃塩ビ製品の組成と排出形態

 塩ビはその特長を生かして、単体あるいは他の素材との複合体として広く使用されています。使用される用途分野製品の組成使用後の排出形態について以下に示しました。

1. 塩ビ製品は様々な用途で広く使われます

 塩ビは多様な用途に使われ、特に住宅、建材、土木など社会のインフラ素材として長寿命の用途に多用されています。

図1. 塩ビ樹脂の主要用途分野

図1.塩ビ樹脂の主要用途分野

2. 塩ビ製品には比較的シンプルな組成の単体製品と複雑な複合製品があります

 製品を組成から分類すると、パイプや波板、農ビなどのように塩ビ樹脂と配合剤のみからできた製品(単体製品)と、壁紙、タイルカーペットなど繊維、紙、木などの異種の素材と複合した製品(複合製品)とに大きく分類できます。

図2. 塩ビ樹脂の製品組成

図2.塩ビ樹脂の製品組成

3. 使用済み塩ビ製品は色々な形で排出されます(排出形態)

 建材、家電・自動車部材、電線、農ビなど主要塩ビ製品の排出フロー例を次に示します。排出形態も個別の塩ビ製品が分別された形で排出される場合(分別排出)、自動車シュレッダーダストや建築の解体現場から排出される混合プラスチックのように混ざって排出される場合(混合排出)と様々なケースがあります。分別排出をすると他の製品が混ざりませんので、一般にマテリアルリサイクルしやすい廃材となります。一方混合排出するとそのままではマテリアルリサイクルは通常不可能で、材料ごとに選別しなければなりません。選別には人手がかかるうえに、多量のエネルギーや水を使うため、コストや環境負荷がかかります。こうした廃棄物はむしろフィードストックリサイクルやエネルギーリカバリー(エネルギー回収)に向いています。

図3. 主要用途分野の塩ビ製品排出フロー

図3.主要用途分野の塩ビ製品排出フロー
注)分別とは、もともと種類別に分かれて存在していたものを他のものと混ざらないようにすることであり、排出時には分別排出することが、より高い質のリサイクルを実現するうえで重要です。他の廃棄物と混ざったままで排出することを混合排出といいます。混合廃棄物から特定の廃棄物を選り分けることを選別とよび、分別と区別して使われます。