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塩ビ樹脂原料(塩ビモノマー)の生産方法

 塩ビモノマーは分子量が62.5、沸点がマイナス13.9℃の高圧ガスです。塩ビモノマーを生産するには、「直接塩素化法」と「オキシ塩素化法」の2つの方法があります。「直接塩素化法」は、まずナフサを熱分解して得たエチレンと、工業塩を電気分解して得られる塩素を、触媒の入った反応器の中で反応させ、中間体の二塩化エチレン(EDC)を合成し、次いでこの二塩化エチレンを数百℃の熱分解炉に入れ、塩ビモノマーを得る方法です。(図1の①)

 このとき副生する塩化水素を、触媒と空気(または酸素)の存在下でエチレンと反応させると再び二塩化エチレンが得られますが、こちらが「オキシ塩素化法」です。(図1の②)オキシ塩素化で得られた二塩化エチレンを脱水し、直接塩素化で得られた二塩化エチレンと同様に熱分解すれば、塩ビモノマーが得られます。

図1.塩ビモノマーの生産方法

塩ビモノマーの生産方法

 日本の主な塩ビモノマー工場ではこの二つの製造法を併用しています。図1の塩ビモノマーの生産方法をフローチャートで示すと、図2のようになります。

図2.塩ビモノマーのプロセスフローチャート

塩ビモノマーのプロセスフローチャート
出典:(公社)石油学会資料より作成