手法の選択が決め手
適切なリサイクル手法の選択が決め手
塩ビ廃製品の内容と排出され方に合わせたリサイクル方法の選択が重要です。
塩ビ製品に限りませんが、リサイクル対象物がどのようなものか、いかなる形で排出されているかにより、それに適合したリサイクル方法を選択することが重要です。パイプや農ビなど、単体製品で分別排出されるものはマテリアルリサイクル(MR:Material Recycling)が進んでいます。これまでマテリアルリサイクルが困難とされてきた複合製品でも、新しい分離技術によりタイルカーペットや壁紙などの塩ビ複合製品ではマテリアルリサイクルが近年大きく進展しています。
単体製品はマテリアルリサイクルしやすいのですが、複合製品は異種材料の分離技術がないとマテリアルリサイクルは困難です。近年、新しい分離技術が開発され、従来困難とされていた複合製品のマテリアルリサイクルが実用化されつつあります。単体製品でも汚れの激しいものは汚れを十分に取除くことが、また選別が困難な混合排出されたものは選別することが技術的或いは経済的に難しく、マテリアルリサイクルが困難な場合が多いようです。
このような場合には、フィードストックリサイクル(FR:Feedstock Recycling)やエネルギーリカバリー、場合によっては適正な焼却処理の中から適合する手法を選択することが合理的です。
全体像のイメージを示すと下図のようになります。
図. 塩ビ製品の内容と排出形態マトリックス
リサイクルをする際には、①~③に記した製品の組成や排出形態、汚れの状態に応じて、適切なリサイクル方法を選択するのが得策です。
①単体製品か複合製品か、複合製品ならその素材分離の方法があるか
②分別排出されたものか、他の廃製品とともに混合排出されたものか
③土石類やその他の汚れがあるか、その除去は比較的簡単か、難しいか