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塩ビ用語について

 このホームページは、プラスチックのひとつであるポリ塩化ビニル(塩化ビニル樹脂)とその産業(塩ビ産業)の状況をお伝えすることを目的としています。

 従って、原料である「塩化ビニル(塩化ビニルモノマー/クロロエチレン)」や製品である「塩ビ製品」にも言及していますが、産業として成り立った当初から、原料や樹脂、そして加工製品までもが「塩ビ」と略して表現され、塩ビ産業と総称されてきました。

 その結果、各種法令においてもさまざまな用語が用いられており報道の場などでも混同が見受けられます。

■法令における「塩化ビニル」に関する用語

大気汚染防止法 塩化ビニルモノマー
水質汚濁防止法 塩化ビニルモノマー
土壌汚染対策法 クロロエチレン
化学物質排出把握管理促進法(化管法) クロロエチレン
化学物質審査規制法(化審法) クロロエチレン
労働安全衛生法 塩化ビニル
食品衛生法 塩化ビニル

 なお、IUPAC(国際純正・応用化学連合)における名称はクロロエテン

 このホームページでは、その混同を避けるために、塩ビ樹脂の原料である「塩化ビニル」を「塩化ビニルモノマー」、塩化ビニルモノマーを用いて製造される「ポリ塩化ビニル」を「塩ビ樹脂」、塩ビ樹脂を加工して得られる製品を「塩ビ製品」とし、下記の表のように極力統一しました。なお、強調の必要がある場合にはフルネームを用いた他、引用した資料の中の表記はそのまま掲載しています。

・塩ビに関する用語と略称のされ方

塩ビに関する用語と略称のされ方

・混同の例1:塩ビモノマーと塩ビ樹脂

 塩ビ樹脂とその原料である塩ビモノマーが、しばしば混同されています。

 2003年2月に、“発がん性のある”「塩化ビニルの大気や地中への放出量」が厚生労働省から発表されました。ここで言われている塩化ビニルが「塩ビモノマー」のことであると理解できる人は少なく、様々な報道の中には、本来は発がん性のない「塩ビ樹脂」や「塩ビ製品」と混同されているものが見受けられました。

※塩ビ樹脂は塩ビモノマーを重合してつくられます。

 塩ビモノマーは、単一の分子(monomer、モノマー、単量体)であり、これを700から2,500個ほどつなぎ合わせると高分子(polymer、ポリマー、重合体)である塩ビ樹脂ができます。

・混同の例2:“ビニール“と他の柔らかいプラスチック

 塩ビ樹脂とその加工製品は、「ビニール」と表現されることがあります。

 これは「Polyvinyl chloride」を「塩化ビニール樹脂」と訳したためと思われます。

 「ビニール」が、柔らかいプラスチック素材として初めて世の中に登場したインパクトは強く、今でもポリエチレンフィルムのような柔らかいプラスチック製品(スーパーやコンビニのポリ袋など)をビニールと呼称し、塩ビ製品と混同していることが見受けられます。