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プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)の策定に向けた政府間交渉委員会(INC)への取組みについて

2023年12月20日

 2022年2月~3月にかけて行われた第5回国連環境総会(UNEA5・2)での決議に基づき、プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)の策定に向けた政府間交渉委員会(INC)が設置されました。この委員会では、プラスチックの持続可能な生産と消費の促進、海洋環境におけるプラスチック汚染の削減のための国内外の協調的取組みの促進、国別行動計画の策定・実施・更新等について検討することとなっており、2022年の後半に協議が開始され、2024年末までの作業完了を目指すこととなっています。

・これまでの委員会で日本は、2040年までに追加的なプラ汚染を終わらせる、との目標を提案したほか、国内でのプラスチックの循環利用促進や環境への排出を抑制するシステムの構築、プラスチックの生産段階や廃棄物管理段階における取組み、流通・販売・消費段階での意識啓発やプラスチックの回収、再利用やリサイクルの促進の重要性等を主張しました。

・一方、条約の義務として、科学的知見に基づく議論の重要性を認識しつつ、一次プラスチックポリマーの生産制限や、問題のある避けうるプラスチック製品及び懸念のある化学物質やポリマーの使用の禁止、段階的禁止又は削減を求める意見を多くの国が主張しています。

・2023年9月4日、国連環境計画(UNEP)は国際文書(条約)の草案(ゼロドラフト)を公開しました。本文書には、プラスチック生産の削減、ポリマーや懸念される化学物質の排除、短命かつ使用を回避できるプラスチックの排除、といった、国内化学産業のサプライチェーン全体に大きな影響を与えかねない内容も含まれています。

・日本政府は、世界一律の生産規制ではなく各国の事情を踏まえて検討すべきであり、再利用やリサイクル、廃棄物管理について、各国は汚染問題の解決に向けて取組を向上させていくべきことや、科学的根拠に基づく対応が重要であり、既存の他条約との重複に留意すべきこと、などを主張しています。