高齢者福祉施設における内窓設置による省エネ効果および温熱環境改善効果の検証
- 学生会員 橋本 侑美(芝浦工業大学)
- 正会員 奥秋 萌々(当時芝浦工業大学)
- 学生会貝 廣川 由樹(芝浦工業大学)
- 技術フェロー 秋元 孝之(芝浦工業大学)
- 正会員 近藤 武士(日建設計総合研究所)
- 技術フェロー 湯澤 秀樹(日建設計総合研究所)
- 正会貝 大沢 頁純(日建設計総合研究所)
本研究では開口部に樹脂サッシ製の内窓を設置した高齢者福祉施設を対象とし、温熱環境及びエアコンの消費電力量について実測調査を行った。
本実測では、開放の出入り扉に面する廊下の空調条件、上階の非空調居室の有無により、実測を行った2 部屋に隣室条件の違いがあった。内窓なしは終日空調を行っているホールに面し上階には非空調居室が存在するのに対し、内窓ありは非空調の廊下に面し上階は居室が無くバルコニーであった。これら隣室条件によって内窓ありは内窓なしよりも不利な条件となっていたと考えられるため、同条件であれば内窓設置により更なる室内温熱環境向上効果および省エネ効果を見込める可能性がある。
今回実測に用いたような福祉施設の療養室において、施設利用者は長時間同じ場所に同じ姿勢で過ごすことが多く、また利用者各自での空調の設定温度変更や、上着を羽織ることも困難であることが想定されるため、室内温熱環境の向上は重要と言える。このことからも内窓設置など窓改修のメリットは大きいと思われる。
- 1.はじめに
- 2. 実測概要
- 2.1 実測対象建築概要
- 2.2 測方法および測定項目
- 3. 夏期実測結果
- 3.1 室内上下温度分布
- 4. 冬期実測結果
- 4.1 室内温度経時変化
- 4.2 室内上下温度分布
- 4.3 窓表面温度
- 4.4 グロープ温度
- 4.5 PMV
- 5. 全期間の実測結果まとめ
- 5.1 室内上下温度差
- 5.2 エアコン消費電力
- 6. まとめ