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病院施設における樹脂窓導入による省エネ効果および温熱環境改善効果の検証


  • 正会員 近藤 武士(日建設計総合研究所)
  • 技術フォロー 湯澤 秀樹(日建設計総合研究所)
  • 学生会員 小林 茜(芝浦工業大学)
  • 技術フォロー 秋元 孝之(芝浦工業大学)
  • 正会員 久保 隆太郎(ものつくり大学)
  • 非会員 高村 正彦(塩ビ工業・環境協会)

非住宅建築物の省エネルギー性を向上するためには、熱損失の大きい開口部の断熱強化が重要である。窓の断熱強化によって、省エネルギー性能だけなく、室内温熱環境の向上も期待できる。特に、病院の病室など、在室者が生活を送る室用途においては、室内温熱環境は重要である。
樹脂窓を導入した実病院にて実測を行い、アルミ窓室及び樹脂窓室の室内温熱環境を比較した。アルミ窓室に対して樹脂窓室では上下温度差が小さくなった。また、アルミ窓室より樹脂窓室の方が、サッシ表面温度が6℃程度高い結果となった。これによって、樹脂窓室のサッシ表面での結露発生が抑制されていることが確認できた。ただし、実測した両室の条件が異なる部分があるため、今後、同様の条件での計測が必要である。
シミューレーションによる検討では、年間冷暖房電力消費量が、アルミ単板の室に比べ、アルミLow-e は17.5%削減、樹脂Low-e は24.2%削減となり、樹脂窓による効果を確認した。PMV 快適時間割合は、アルミ単板に比べて、アルミLow-e は年間で10 ポイント、樹脂Low-e は12 ポイント増加し、室内温熱環境改善効果も確認できた。

  • はじめに
  • 1 実測概要
  •  1. 1 対象建物概要
  •  1. 2 実測条件
  • 2 実測結果
  •  2. 1 各室代表点及び外気温温度
  •  2. 2 上下温度差
  •  2. 3 窓周り表面温度及び結露発生時間
  • 3 シミュレーションによる検討
  •  3.1 検討概要
  •  3.2 検討ケース
  •  3.3 冷暖房消費電力量
  •  3.4 PMV快適時間割合
  • 4 まとめ

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