樹脂窓に関するLCAとGHG排出削減貢献量
樹脂窓のLCA
対象製品
- 評価対象製品は、平成28年省エネルギー基準の仕様基準(開口部比率区分:ろ)を上回る樹脂窓とした。
- 比較対象製品は、上記の省エネルギー基準とした。
省エネルギー基準の地域区分
- 省エネルギー基準の地域区分は1~8地域の地域毎に定められている。
- 1~7を対象地域とした。8地域・沖縄は省エネ基準上で断熱性能(外皮平均熱貫流率)を要求されていない地域のため、対象には含めなかった。
地域毎に設定した対象製品一覧
算定単位
- 戸建住宅1戸分を算定単位とした。
- 窓の規格サイズは出荷量が多く、代表的なサイズである引違い窓16513、たてすべり出し窓07411とした。
窓のライフサイクル
- 塩ビ、アルミ、ガラスなどの主要部材、パーツ類から窓を製造する。
- 窓は、ほぼ住宅の使用期間(30年)にわたって使い続ける。
窓のライフサイクルフローとシステム境界
- 原材料の調達から使用後の廃棄段階までの範囲を評価した。
- 住宅への施工、交換、住宅解体時のプロセスについては含めていない。
原料調達段階~窓の製造段階
- 窓メーカの協力を得て、年間実績に基づくプロセスデータを収集した。
<データ性質>
・対象年次 2016年 or 年度
・窓メーカ3社の平均値
・引違い窓(樹脂窓、アルミ樹脂複合窓、アルミ窓)
・たてすべり出し窓(樹脂窓、アルミ樹脂複合窓、アルミ窓)
<収集項目>
・投入原料(主要部材、パーツ)
・製品重量(素材別)
・廃棄物
・副資材(梱包材、薬品類)
・ユーティリティ
引違い窓(サイズ16513)の重量
- 引違い窓の1窓あたりの重量は、樹脂窓の三層複層ガラスが64kg、樹脂窓の複層ガラスが52kg、アルミ窓とアルミ樹脂複合窓が40kg。
- 樹脂窓はガラスと塩ビ(PVC)の割合が多く、アルミ窓とアルミ樹脂複合窓はアルミの割合が多い。
たてすべり出し窓(サイズ07411)の重量
- たてすべり出し窓の1窓あたりの重量は、樹脂窓の三層複層ガラスが25kg、複層ガラスの樹脂窓、アルミ窓。アルミ樹脂複合窓が19kg前後。
- 引違い窓と比べて、ガラスの占める割合が少なく、塩ビやアルミなどのサッシに当たる部分の割合が多い。
製造段階のエネルギー消費量(引違い窓)
- 引違い窓製造のエネルギー消費量は、アルミ窓やアルミ樹脂複合窓に比べて、樹脂窓の方が大きい傾向である。
- 原材料では主要部材である塩ビ(PVC)、アルミ、ガラスが大半を占め、エネルギーでは電力の占める割合が大きい。
製造段階のエネルギー消費量(たてすべり出し窓)
- たてすべり出し窓製造のエネルギー消費量は、樹脂窓の複層ガラスがもっとも小さい結果となった。
- 引違い窓と傾向が異なるのは、全体重量に占める枠の比率が引き違いよりも大きい、また電力や燃料にはデータ収集条件、生産状況などが影響しているものと考えられる。
製造段階のGHG排出量(引違い窓)
- 引違い窓製造のGHG排出量は、アルミ窓やアルミ樹脂複合窓に比べて、樹脂窓の方が大きい傾向である。
- 原材料では主要部材である塩ビ(PVC)、アルミ、ガラスが大半を占め、エネルギーでは電力の占める割合が大きい。
製造段階のGHG排出量(たてすべり出し窓)
- たてすべり出し窓製造のGHG排出量は、樹脂窓がアルミ窓やアルミ樹脂複合窓に比べて小さい結果となった。
- 引違い窓と大小の傾向が異なるのは、全体重量に占めるサッシの比率が引違いより高い、また電力や燃料は、データ収集条件、生産状況などが影響しているものと考えられる。
寒冷地・戸建て住宅:窓の重量(住宅1戸)
- 寒冷地の戸建て住宅には、引違いが10窓、たてすべり出しが6窓使用される。
- 戸建住宅1戸あたりの窓の総重量は、三層複層ガラスの樹脂窓を使用した場合が793kg、複層ガラスの樹脂窓の場合は630kgである。
温暖地・戸建て住宅:窓の重量(住宅1戸)
- 寒冷地の戸建て住宅には、引違いが10窓、たてすべり出しが7窓使用される。
- 戸建住宅1戸あたりの窓の総重量は、三層複層ガラスの樹脂窓を使用した場合が817kg、複層ガラスの樹脂窓の場合は648kg、アルミ樹脂複合窓とアルミ窓は500kg超である。